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塩釜という港町になぜ阿部善商店が存在するのか。それにはいくつかの理由があります。
まず第一に、塩釜は世界三大漁場の一つである三陸沖を近くに持つ主要漁港として昔から鮮度の良い魚が水揚げされたこと、そしてそもそも塩釜という町はその名が示す通り昔から塩造りの町として栄えたこと、さらには、名だたる酒蔵が数多く存在する理由としておいしい水があるということ。
魚、塩、水、これら3つの素材は、どれも蒲鉾造りに欠かせない大切な要素なのです。塩釜が日本で有数の蒲鉾の産地として栄えたのはごく自然のことであり、逆にいえばそのすべての要素がそろってこその蒲鉾造りであるということができます。
阿部善商店では、その3要素がそろった宮城県は塩釜市で、昭和元年(大正15年)から蒲鉾を造って参りました。創業から今日までに育て上げてきた、3つの「あたりまえ(こだわり)」をご紹介します。
その1「目利き(仕入)=おいしさの追求」
蒲鉾に使用する原材料は製造部仕入部門、品質保証室、商品検討委員会の承認を得た上で、開発室でテーブルテストを重ね、基準をクリアしたもののみ使用しています。
特に主原料であるすり身や仕入具材に関しては、仕入先への立入検査を行い、十分な品質管理の元で生産されていることを確認したもののみ使用しています。そして、やはりすべての基準になるのは「おいしさ」です。
その2「技=受け継がれる伝統の製法+α」
蒲鉾の造り方はある程度確立されたものはありますが、その店その会社で微妙に異なる部分があります。また、蒲鉾の種類によっては、その製法が他と大きく異なる場合もあります。
阿部善商店は創業以来、蒲鉾造りの技術を何代も受け継いで、昔ながらの味を継承していますが、その代その代ごとに新たな製法やアイディアを付け加え、長い伝統の上に若い職人のエッセンスを加えることで、ほかには真似できないオリジナリティーと品質を維持しています。
その3「真心=お客様に喜ばれるということ」
「常にお客様の気持ちになって蒲鉾造りを続けること」
当たり前のことですが、阿部善商店の蒲鉾やおでんを「おいしい」と言ってくださるお客様があってこその生業であるということを常に念頭に置き、蒲鉾造りを通して社会のお役に立てるよう、一日一分一秒を無駄にせず、全従業員一同、精進を重ねてまいります。